ケミカル製品

漏れ試験(LT)とは…?

漏れ試験とは、水や油、気体など流動性のある物質が制限された場所から、孔などの欠陥を通して外部へ出ること、また真空容器などでは外部から物質が流入することを漏れといいます。漏れ試験は、稼動中のタンクや容器、配管などから、水や油(オイル)、ガスなどの内容物が漏れ出ていないか確認する場合と、機器や設備、容器の製造時に水圧試験や気密試験、ヘリウムなどの特殊なガスを封入して漏れの有無を検出する場合があります。

各種漏れ試験方法

試験方法 当社製品名 用途・特徴
気体の漏れ試験 発泡漏れ検査 リークチェック 空気やガスの漏れを、塗布した検査液の発泡現象で検出する方法。
液体の漏れ試験 蛍光染料添加法 ケイコーペネトール 蛍光物質を添加した液体を使用し、出てきた漏れをブラックライトを照射して蛍光指示模様で検出する方法。
発色現像法 モレミール 水や油(オイル)の入った検査体の表面に特殊な現像剤を塗布し、漏れ部を白地に赤の拡大指示模様として検出する方法。
蛍光現像法 同上ですが、漏れ部をブラックライトを用いて蛍光指示模様で検出する方法。
浸透探傷剤を利用した方法 カラーチェック
ケイコーチェック
浸透探傷試験で浸透液を塗布した反対面から現像処理し、漏れ部を検出をする方法。
漏れ試験の中には、上記以外にヘリウム漏れ試験、水素漏れ試験、ハロゲン漏れ試験、アンモニア漏れ試験などがあります。

発泡漏れ検査剤(リークチェック)

発泡漏れ検査とは、試験体の内部気体の漏れを、検査面に塗布した検査液の発泡現象で検出する方法で、手軽に漏れの有無、漏れ位置の確認ができるため、各分野で非常に広く利用されている方法です。
一般には、試験体内部を加圧する加圧法で使用します、加圧できない場合は真空箱などを使う真空法があります。

発泡漏れ検査液(種類と特徴)

JIS Z 2329には『ニッケル基金属、オーステナイト系ステンレス鋼、チタン合金などの試験体においては、低硫黄、低ハロゲンの発泡液を使用することが望ましい。一般の家庭用洗剤は、使用してはならない。』と明記されています。
これは家庭用洗剤では、条件により発泡せず、信頼性の高い検査は行えない可能性があるため、また、試験体の材質によっては応力腐食割れなどの発生の恐れがあるためです。精度の高い、信頼性のある検査のため、専用の検査液を準備しております。

用途:
空気・ガス配管およびプラントの検査メンテナンス時の漏れ検査
対象:
ガス配管、コンプレッサ、真空機器、ポンプ類、バルブ、パッキンおよび溶接部の検査
品名 JIS適合 特徴
リークチェック 一般検査用
リークチェックV 一般検査用、縦向きの液垂れが少ない。
リークチェックH - 高温(50℃~200℃)検査用
リークチェックLU 寒冷地・低温(-15℃~20℃)検査用
リークチェックNX 濃縮タイプ(10倍希釈にて使用)
リークチェックウルトラ 原子力機器等に使用される。
[Cl≦100ppm、F≦30ppm、S≦10ppm]
※ JIS Z 2329[発泡漏れ試験方法] 6.2 発泡液に適合します。
発泡漏れ検査液

蛍光染料添加剤(ケイコーぺネトール)

蛍光染料添加法とは、試験体の内部の水又は油に蛍光染料(ケイコーぺネトール)を微量添加することにより、漏れを蛍光指示模様として検出する試験方法です。
ブラックライト
写真
用途 品名 対象 添加量
水漏れ検査剤
(一般タイプ)
ケイコーペネトール タンクの水張り
試験、冷却水配管
5,000~40,000倍
(0.0025~0.02%)
油漏れ検査剤
(高輝度タイプ)
ケイコーペネトール OF2 オイルタンク、油圧装置、作動油配管 0.05%~0.2%

液体漏れ発色現像剤(モレミール)

液体の入ったタンク容器や配管結合部の外側に、液体(油や水)に接触すると白色から鮮やかな赤色や蛍光に変化する発色現像剤を刷毛やスプレーで塗布します。漏れがあれば、赤色又や蛍光の指示模様を形成します。毛細管現象による吸出し効果と拡大効果、白地に赤色のコントラストや蛍光などで、無塗布時の観察に比べ1000倍以上の検出感度で微細な漏れを検出します。漏れてくる液の種類により、水漏れ用と油漏れ用に分かれております。

用途 品名 指示模様 対象
水漏れ発色現像剤 モレミールW 赤色/白地 水圧試験、飲料水、各種水溶液の漏れ
油漏れ発色現像剤 モレミールOIL-Q 赤色/白地 石油、各種有機溶剤、潤滑剤のタンク、配管の漏れ

モレミールの検査および漏れ指示模様

モレミールWの塗布

水配管の漏れ指示模様

モレミールOil-Qの塗布

油パイプの漏れ指示模様

浸透探傷剤を利用した貫通検査方法(カラーチェック、ケイコーチェック)

浸透探傷剤(カラーチェック又は、ケイコーチェック)の浸透液を試験体の片面に塗布し、反対面に現像剤を塗布します。漏れがあれば、白地に赤、又は蛍光の欠陥指示模様を形成します。また、貫通部から漏れた液(水又は油)を、浸透探傷試験に用いる現像剤(カラーチェックFD-S)だけを塗布することで、毛細管現象による吸い出し効果により、拡大された指示模様を観察する検査方法(白色現像法)があります。
画像: カラーチェック