探傷剤関連
1. 浸透探傷試験関連
- カラーチェック検査にも資格が必要ですか?
- 自社の検査では特に必要ありませんが、公的な工事や検査では技量認定資格を要求されるケースが増加しています。JIS Z 2305に基づき日本非破壊検査協会が毎年春期、秋期に試験を実施しています。
- カラーチェック検査でどのくらいのキズが検出できますか?
- 実験室レベルでの最小検出キズは、蛍光浸透探傷試験では深さ10μm(幅0.5μm)、染色浸透探傷試験では深さ30μm(幅1.5μm)ぐらいまで可能ですが、実際の探傷においては、蛍光浸透探傷試験では深さ30μm(幅1.5μm)、染色浸透探傷試験では深さ50μm(幅2.5μm)ぐらいまでの欠陥であれば検出は可能です。
- セラミックスのキズの検出はどのようにするのですか?
- セラミックスのキズの検出には水洗性のカラーチェックを使用しますが、水洗後、乾燥させるだけで指示模様を観察できるので、現像剤は使用しないのが一般的です。
- 自動探傷したいが、廃液が出ない方法はありませんか?
- 蛍光浸透探傷液(ケイコーチェックN-21P)を使用し、水洗廃水は油水分離機を通して、リサイクル使用するシステムを提案しております。
2. 磁粉探傷試験関連
- 磁粉探傷試験と浸透探傷試験の違いは何ですか?
- 磁粉探傷試験は強磁性体(軟鋼、高張力鋼等)での線状キズの検出には最適ですが、磁石に吸着しないステンレス鋼、アルミ合金などには適用できません。また、ブローホールなど円状キズには適していません。
- 内部欠陥でも検出できますか?
- 表面および表面近傍キズが検出対象ですが、内部キズは表面下2mm位までが限度です。
3. 漏れ試験関連
- 気密試験(発泡漏れ試験)に石鹸水を使用してはいけませんか?
- JIS Z 2329規格では家庭用洗剤の使用は禁止されています。その理由は石鹸が温泉などで泡立たなくなる性質があること、また、応力腐食割れの原因となるイオウ化合物が含有している場合が多いなど、全体としての品質保証に問題があるためです。
- リークチェックの検出感度はどのくらいですか?
- 30μmの孔であれば、約0.004MPaで発泡する感度を有しています。漏れ量としては、10-3~10-5cc/secくらいの漏れがあれば検出可能とされています。
- 水漏れ検査剤(モレミールW)の検出限界はどのくらいですか?
- 実験レベルでは、水漏れで10-6cc/secの漏れまでは検出することができます。
溶接関連ケミカル品
- スパッタ付着防止剤で特に気をつけることは何ですか?
- 「軟鋼、高張力鋼用」直接塗装可能タイプ(水洗不可能タイプ)などの表示があるタイプは表面に樹脂皮膜を形成するので、ステンレスなどに使用しますと黒く焼きついて除去できなくなります。そのような場合は、溶接後でも簡単に除去できる「ステンレス鋼用・メッキ用」を必ず使用してください。
- 開先防錆剤シルバーが原因でブローホールが出る場合がありますか?
- 開先防錆剤シルバーは塗膜を除去せず、その上から溶接をしても悪影響がほとんど出ないよう設計されています。しかしながら、厚板の隅肉両側溶接などでガス抜けがほとんどない場合や、アルゴン系のシールドガスで酸化分解が期待できない場合等ではブローホールが発生する場合があります。このような場合は、前もって試験するか、ご相談ください。
- 薄板のTIGなめ付け溶接でブローホールが多発する場合がありますが、対処方法は?
- ビードクリーンMSFを溶接面に塗布して、溶接してみてください。大半の場合、母材に不足している成分を補って湯流れを向上させ、ブローホールを止めることができます。
- スピーティグはどうしてTIGなめ付け溶接での溶け込み深さが3倍にもなるの?
- アークの集中性が良くなるとともに、高温での溶融金属の表面張力が変化し、溶融部の対流が中心に向かうためと考えられています。
その他(洗浄・潤滑)
- オイルクリーナーQ1は毒性が少ないのに脱脂力が優れているのはどうして?
- オイルクリーナーQ1の主成分は脂環性の炭化水素です。トルエン、キシレン等のようなベンゼン環を持たないため、毒性は比較的少なく、環状ですので直鎖の炭化水素系より油の溶解性に優れています。
- 防錆潤滑剤ビストールの水置換性とは何ですか?
- 濡れた品物の上からスプレーしても水をはじいて表面に防錆膜を形成し、錆の発生を防ぐ性質のことです。湿った環境の品物でも安心してスプレーしてください。
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